長い話になりますが、つまるところお人形さんとの再会、お人形の周りの思い出と、それから派生する家族とのふれあいと、オーストラリアに一緒にくるまでの記録のブログ記事です。
去年の暮れに亡くなった祖母。血はつながっていないのだけど、私の母にとっては大切な叔母、年上のお姉さんのような存在で、私にとっては祖母。わたしが物心ついた頃から、祖母の家に夏休みとお正月に遊びに行くのが決まった家族行事、わたしにとっての夏休みとお正月には欠かせないことになっていました。他県に住む祖母は家に隣接した昭和感あふれるお店(〇✖百貨店という全部漢字の店名。レトロ昭和)をやっていました。お正月に祖母の家に到着すると玄関の下駄箱の上に色んな業者さんから頂いたカレンダーとかお正月ギフトとかおいてあって、お店からはお客さんが出入りする音や常連さんと祖母が会話している声が聞こえてきて、家やお店の匂いとか、断片的なものではあるんだけどしっかりと覚えてる。
祖母の家や営んでいるお店は子供時代のわたしや弟にとっては、ものすごく魅力的な場所でした。うちの弟は小さい頃、祖母の家とお店の区別がついていなかったのか、お店の営業時間に商品棚においてあるクッピーラムネをその場で開けてぼりぼりと食べて、お店に来ていた子供のお客さんたちに「え~?!」とびっくりされたり。
クッピーラムネのパッケージ、大好きな人が多いかと思うのですが、わたしも大好き!フォント、色使い、キャラクターの絵のタッチが昭和すぎて♡。子供の頃から変わってないデザインだから、なんか安心する。このちっさいクッピーラムネ、商品棚に置いてあって、これを4歳か5歳くらいの弟がどんどん開けて、店頭でぼりぼり食べてた。学年的には6年離れた弟だったので、自分が子供時代だった時は、年齢も身体のサイズもえらいことちっさい弟で可愛かった(⋈◍>◡<◍)。✧♡

わたしはというと、営業時間外にお店を探検するのが好きでした。お客さんたちがいなくなったお店空間は急にプライベートな空間になる。どうやってみつけたのかお店のショーケースの奥にあった棚の中にこれまた(今思うと)ザ昭和な男の子と女の子(?と思ってたけど、今考えると性別がよくわからない)の対の人形を見つけて毎回祖母の家に遊びに行く旅に、この同じ棚にお人形さんたちに会いに行き「また来たよ!」と挨拶して、帰る時は少しだけ感傷的になりながら、「また来るからね。待っててね」と箱に戻して棚にしまいお別れをするということをやっていました。
オーストラリアに来てからは、お盆、お正月と毎年祖母を訪ねることはできなくなってしまったけれど、日本に一時帰国する度には必ず祖母の家に家族で訪問し、そして帰る時にやっぱりまだ人形が残っているかどうかを確認していました。
年末のお葬式に帰国が間に合わず出席できなかった私でしたが、祖母の四十九日があり、祖母の家を訪れることになりました。祖母が一度倒れてお店を閉めてからは何度も危ない時があったので、今回が会えるのが最期かなと心の準備が少しずつできていましたが、やっぱり寂しいですね。
祖母は一度倒れたことがあり、お店はその時に閉めてしまっていて、しばらくはデイに通っていたのですが、だんだん一人で住み続けるのが困難になり、ホームへ。その後、祖母の実の息子(わたしの叔父さん。親戚のお兄さん的な存在だったけど)が家やお店を少しずつ整理していました。訪れるたびに家からもお店から見慣れたものがなくなり、物もどんどん減ってきていました。同じように祖母の様子もどんどん変わっていき、少しずつ弱っていくの見ながら人が住まなくなった家や営業しなくなったお店からは、だんだんそこに住む人、行きかう人の気配がなくなっていき、今まで当たり前だったものは、実ははかないものだったんだと時間をかけて学ばせてもらった感じです。
祖母の四十九日に参加した後、祖母の家やお店に来られるのは本当に最後になるかもしれないと思うと同時に、あのお人形さんのことをまた思い出しました。
四十九日の後、少しだけお店と家に行く時間を持てたので、閑散としたお店に行き、いつもの棚のところに行ったら、他のものはもうほとんど空でなくなっているところにいたんです、お人形さんたちが!!しかも蓋の開いた箱がショーケースの上に置かれていて、まるでわたしを待っていましたかな感じで。
私「あ~、まだいたんだ。一緒に行こう!」
と思わず、連れて帰ってきてしまいました。スピリチュアルな世界的には人形に関して怖い話もあるし、あんまり持たない方が良いっていう人もいるけど、小さいころから話しかけてからもう仕方ないかも。このお人形さんみると、祖母の家に遊びにきたこととか、色んなことが思い出されるし。子供だった私が祖母と別れるのが悲しくて、泣きながら人形さんたちにもまたねって言ってたこととか。知らない人が聴いたら、怖いかな?ホラーかな?この子たち長い間、大好きだった祖母のお店にいて祖母を見守っていたんだって思ったら、連れてきたくなちゃった。
この写真、数年前に祖母の家に泊まった際にお店の整理を皆でしていた時。次、来られるかわからないからと思ってた時に写真だけでも撮っておこうと思って撮った写真。いつも白い箱の中に入っていたんだけど、この時は箱から出してお店で写真撮影。そして箱に入れて人形の後ろにある棚にいつものようにしまった。この時はまさか持ってくるとは思ってなかった。

さて、お店に入って一目散に人形さんたちのところに行って無事に再会し、叔父さんに、「この人形、小さいころからいつも挨拶してた人形なので、もらっていきます」と言ったら、叔父さん、言葉を失って目を見開いていた。
人形と共に家に戻ってから、四十九日には参加できなかった弟にいきさつを話す。
私「この人形に小さい頃からいつもまた来るね~って言ってたのね。今回お店にいったら何にもなくなったお店の中でこの子たちがすぐに視界に入るいつものところで待ってたから、思わず持って帰ってきちゃったんだぁ」
弟「げっ!!なにその気持ち悪い人形」
私「そういえばさ~、気が付いたらわたしの髪型とお人形さんの髪型おんなじなんだよね~」
風で前髪がわかれちゃってるけど、風がないとぱっつん前髪なので。

弟も母も、ひゃーーーって、漫画とかでいうと、白目向いて顔のこめかみのところからいっぱい縦線な恐怖&仰天顔してた(笑。
とはいえ、弟が「まあ、人形たちの思惑通りになったじゃん」と、ホラーなことを言い出した。
他人が言うと怖くなるじゃんか~!!やめろーって。
あんまりにも気持ち悪いと言われ続けるので、人形たちを弟と目が合うような食卓付近の場所にわざとおいておいたら、毎回見つけるたびに驚いていて笑わせてもらいました。そして古い昭和の人形だから高く売れるかもよ、この人形なんていうのだろうとネット検索しだした。
弟「売らないなら、オーストラリアに持ってってくれ、気持ち悪りぃ~」
だって。ひどいこというわ。
そして・・・
このお人形さんたち結局のところ飛行機にのってわたしと一緒にオーストラリアにやってきました☆彡
ポップ感をだすために大阪に行った時に買ったくいだおれ太郎プリンについていたお帽子をかぶせてみた(いえい!:)

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