お酒を飲まなかった日曜日

エッセイ

晩酌を減らすという、小さな再出発

毎日の晩酌を少しずつ減らし、「今日は飲まない」という日が増えてきた。

今年の私の目標は、「心、体、家とお金を整える」。

もちろん、ばっさりと完全にやめることができれば、それが一番良いのかもしれない。けれど以前、十分な準備もなく急に禁酒を始めたとき、まるで人生の楽しみをすべて奪われたような、なんとも言えない悲しさに包まれたことがあった。

だから今回は、慎重に進めている。

その時、いくつもの出来事が重なり、私のさよならお酒計画は大失敗に終わったからだ。

オーストラリアに来て間もない頃、ドライブスルーのボトルショップで「にゃーにゃー」と助けを求めていた小さな子猫のR君と出会った。ずっと一緒に過ごしてきたその子が他界し、当時長く付き合っていた彼との別れ。そして心のケアを十分にしないまま、強いストレスを抱え込んでしまったこと。

あの時、私はたった1か月で20キロも太った!!

私にとって、いつからかお酒は単なる嗜好品ではなくなっていた。

仕事から日常へと気持ちを切り替えるためのスイッチであり、不安や孤独を一時的に遠ざけるための手段でもあった。退屈を埋める役割も果たしていたのだと思う。

でも気づいた。

時々飲まない日を設けていく中で、飲まなかった日の翌朝、頭がすっきりしていて、体も軽く、驚くほど穏やかな気持ちで目覚めることがあった。湧き出てくる幸せ感に、心の中で有頂天になっちゃ駄目と冷静に冷静にと自分を落ち着かせるくらい(よっぽど体や心にとって負担になっていたのかな?)

「あれ? 飲まない方が、むしろ幸せ?」

そんな朝を何度か経験するうちに、お酒を飲む意味そのものが少しずつわからなくなってきた。

とはいえ、習慣というのはなかなか手強い。

仕事で強いストレスを感じた日は、「今夜も飲もうかな」という考えが自然と頭をよぎる。帰宅途中、気づけばいつものボトルショップへ向かう道に車を走らせている自分に驚くこともある。

「こっちに曲がってしまったから、まあ買うか。」

そんな自分を見て、習慣化した脳の力に半ば感心してしまう。

でも同時に、脳は説得できるというのか、騙す?こともできるのだということもわかってきた。

無理やり「やめる」のではなく、「飲まない方が気持ちいい」という体験を何度も重ねることで、少しずつ脳に新しい選択肢を覚えてもらうみたいな感じ。恋愛で頭がおかしくなってる状態も脳と同じ(笑。

「ほら、こっちの方が心地いいでしょう?」

自分の脳と対話。

平日の晩酌に代わるものを見つけるのにも、少し時間がかかった。

りんご酢のソーダ割りやハーブティーも試してみたけれど、私にはあまりしっくりこなかった。やはり、お酒の代わりに別の飲み物を置いても、「お酒ではない」という事実は変わらない。

今のところ、一番効果を感じているのは、仕事が終わった瞬間に「はい、ここで仕事終了」と心の中で宣言すること。

そして、その時間になるとうちの看板息子のJJ男くんが私の仕事机横のベッドからむっくりと起きてきて、「遊んで」とちょっかいを出してくる。驚くほどアクロバティックな動きを見せながら、私の気持ちを一気に仕事から引き離してくれる。

もしかすると、JJ男くんは私がお酒を飲まないように、毎日手伝ってくれている?

それから、元々料理が好きなので、冷蔵庫の中を見ながら「今日はホットクックで何を作ろう?」と考える時間も、私にとっては立派な気分転換になっている。ホットクックは工程が短くなるし、洗い物が多く出ないので、仕事終わりにも料理をしようという気持ちになる。

体を整えること。お金を貯めること。暮らしを整えること。

今年の目標は、すべてどこかでつながっている。

でも、もちろん、週末に一人で過ごしていると、不安になることもある。

これから年齢を重ねていくこと。家族や親戚が少しずつ減っていくこと。老後のこと。ひとりで生きていくことへの漠然とした心細さ。

そんな気持ちがふと押し寄せることもある。

それでも今年の私は、少しずつ、自分の土台を作り直しているということは実感できる。こうやって、定期的な振り返りをして確認する作業って大事。

心を整える。体を整える。家を整える。

私、お酒に頼らなくても、自分をご機嫌にできる方法を少しずつだけど発見してるよね。

今週末の、小さな発見

実はこの週末、金曜日と土曜日の2日間はワインを飲んだ。

金曜日は、やはり飲みたい気持ちが強かった。長い一週間を終えた「金曜日の始まりの儀式」のようなものが、私の中ではまだお酒と結びついているのだと思う。今は、その儀式をお酒以外のものに置き換えられないか、あれこれ試行錯誤しているところだ。

土曜日は、金曜日の流れのまま、なんとなくまた飲んでしまった。

飲んだ翌日は、意外とまた飲みたくなる。これは習慣の力なのか、それとも脳が「昨日も飲んだのだから今日もいいだろう」と囁いてくるのか。とにかく、一日だけ飲むよりも、連続して飲んでしまいやすいことを改めて実感した。

そして日曜日。

今日は新しく見つけたYouTubeチャンネルにすっかりハマり(豪快で素敵な60代のマダム。しかもすごく男前の美人!こういう感じの人、久々に見た感じで新鮮だった)、ラム肉のローストを作り、グラタンを作り、ラム肉の切り落としでジンギスカン風の炒め物まで作った。

さらに、部屋の掃除、洗濯、足湯、足のマッサージ、顔のマッサージ。そしてこうしてブログを書いている。

振り返ってみると、なかなか充実した一日だった。

毎回思うのだけれど、お酒を飲まないと一日がとても長い。

そして、その「長さ」は退屈という意味ではなく、時間をしっかりと味わえているという感覚に近い。ただまだ、今までお酒に頼ってきた分、お酒を飲んでなかった時、何に時間を使っていたか忘れちゃってる感じ。

もう一つ気がつき始めているのは、以前の私は「ワインを飲まないと眠れない」と思い込んでいた。

でもお酒を飲まなかった今夜も、自然と眠気がやってきている。飲まない日に思ったのは、あれ意外と普通に眠くなるじゃないかと。お酒を飲んだ時に急激な眠気ではなくて、だんだんと眠気が来る感じ。

違う種類の眠気。これって、かなり良いサインではないだろうか。

お酒を飲まないことは、何かを我慢することだという勘違いをしていたみたい。

自分の時間を取り戻し、体の声を聞き、本来のリズムを思い出し始めている。

「飲むと翌日も飲みやすい」
「飲まないと一日が長く感じる」
「お酒なしでも自然に眠くなる」

おーい、私の脳、聞いてるかい?

自分の体なのにね。ちょっとホラーだ(笑。いやいや、でも最終的にはよい週末となりました。今夜は質の良い睡眠が取れそうです。

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